ドローンステーションブログではこれまで多くのドローン活用事例を紹介してきましたが、今回紹介するのはより身近に感じられる事例として「マンション管理におけるドローン活用事例」を紹介していきたいと思います。
インフラ設備の調査や測量など、数多くのシーンで活用されているドローンですが、一般の生活の中でもドローンを見る機会が増えてきています。そんな中で、一般的な住居であるマンションの管理にドローンを使った事例を今回は紹介していきたいと思います。
①ドローンのズームカメラを使った調査

今回の事例は、ドローンステーションを運営するポラリスエクスポートが実施したズームカメラと赤外線カメラを搭載したドローンを使ったマンションの外壁の調査です。
ズームカメラを用いた調査で使った機体は、DJIの産業用ドローン「Matrice 4E」を選択しました。街中でも飛ばしやすい小型機ながら、高倍率ズームカメラを搭載し今回の調査目的を達成するのに最適な機体としてチョイスしました。

この「Matrice 4E」を使って、早速マンションの外壁などを診断していきます。なお、事前に飛行申請を取り、マンションの住民の方々にも説明し、周囲の安全にも十分に配慮した上で、航空法に定められた飛ばし方でフライトさせております。
まずは、「Matrice 4E」のズームカメラを使って外壁の調査をしていきます。なぜズームカメラが必要かというと、一番のメリットは対象物から距離を保ちながら、詳細な点検をおこなうことができる点にあります。この特性があることで、
・対象物・障害物に対して安全マージンが確保できる
・撮影・調査時間を短縮できる
・ひび割れ等の詳細まで撮影可能
といったドローンを使うメリットが生まれてきます。
また、空中から撮影できるドローンのほうが地上から撮影するよりも死角が生まれにくく、隅々まで調査ができる点も見逃せません。昨今のドローンに搭載されたズームカメラは、光学式・デジタル式を含め最大200倍を超えるズーム機能を有したドローンも存在します。さらに、ドローン本体のブレを吸収するジンバル機構や、電子ブレ補正などにより三脚に固定されたカメラのような鮮明な画像・動画を取得できるため近接での直接目視と変わらない調査が可能となっており、非常に鮮明で美しい映像を遠くからしっかりと撮影できるようになっています。

今回の撮影では、実際にズームカメラを使ってマンションの外壁を撮影し、コンクリート壁の亀裂や窓周り、タイル接合部のシーリングの状態を確認することができました。人が近づきにくい部分でも、鮮明な画像でひび割れ状態を捉えることができたのですが、これまで見逃していた位置でも、ドローンであればすぐに画像として捉えることができるので、調査として非常に有意義なものとなりました。
②赤外線カメラを使ったマンション外壁の調査
続いて機体を「Matrice 4T」に変更して調査を進めていきます。こちらの機体には赤外線カメラが搭載されており、外壁の温度差を可視化することができます。

温度差を可視化することで、
・タイル壁の浮きの状況確認
・漏水状況の確認
・ひび割れ等の確認
をおこなうことができます。しかもこれらの調査に関して、足場を設置せずできてしまうため、非常に効率良く、しかも安全におこなうことができるのは大きなメリットではないでしょうか?

この中でも特に注目頂きたいのがタイル壁の浮きの調査です。これは、剥がれが発生しているタイルではコンクリート構造物の間に空気の層が生まれます。これを、外気温の変化にともない、健全部と空気層がある部分の熱伝導の差によって温度差が生まれることを活用して、赤外線カメラでそれを可視化することで、浮いてしまっている場所を探し当てるというものです。
なお、この調査をするにあたってはいつでもできるというわけではなく、温度差が発生する条件や、誤審を招かないため留意するポイントとして下記が挙げられます。
・1時間当たり2℃以上、1日あたり7℃以上の気温差があること
・調査対象が湿潤していないこと(雨天翌日などは避ける)
・風速5m/s以上の日は調査をおこなわない
今回の現場では前日に雨が降ってしまってしまったため赤外線カメラによる調査ができませんでしたが、手が届く範囲で打診棒による限定的な調査に切り替えて実施しました。このように現場の環境や当日の状況に応じて適切な方式を組み合わせることで、最大限の成果を引き出します。
※もちろん場合によっては日程を再度調整してドローンによる追加調査も行います。
③3Dモデルを作成し検証に活用する
今回は、ドローンを使ってマンションの周囲を撮影してピンポイントの状況を把握するだけでなく、マンション周囲に沿って連続写真を撮影することで「3Dモデル」の作成までおこないました。

これは、あらかじめドローンの飛行をプログラミングしておくことで、対象エリアをドローンが自動で飛行しながら、連続写真が十分に重なるようにして、正確に撮影をおこなっていくことで3Dモデルの元データを取得していきます。
撮影後は専用ソフトウェアにて、写真撮影位置の特定及び三角測量を伴った3D画像の作成をおこない、3Dモデルは完成します。1/1スケールの3Dモデルでは、誤差数cm程度での採寸・位置確認等が可能なレベルとなっており、非常に精度の高い3Dモデルを構築できます。

この3Dモデル作成の目的としては、調査の過程や結果が視覚的にわかりやすく、調査や設計段階でのさまざまな検証ができるようになるだけでなく、関係者のコミュニケーションを円滑にするためのツールとしても期待できるという点が挙げられます。
実際にこのような3Dモデルを使うことで、補修対象箇所の特定がしやすくなります。詳細な一枚一枚の画像の撮影場所も3Dモデルがあることで特定ができますので、俯瞰的な視点で補修対象箇所を把握することが可能です。

また、スケールの確認により予算の策定が可能であったり、ひび割れ等の大きさや場所の調査もできるだけでなく、後日の打ち合わせでは現場に出向くことなく、塗装面の概算面積などの計測にも役立つなど、3Dモデル作成は数多くのメリットをもたらしてくれるものとなっています。
④まとめ
今回はマンション管理におけるドローンを使った調査と、3Dモデル作成の事例を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ドローンは上空からさまざまなビッグデータを収集してくることができる便利なソリューションです。その活用シーンは年々増えていますが、まだまだ道半ば。これからもっと多くの活用事例が出てくることでしょう。
テクノロジーの進化によって、リスクなく効率的に点検や測量、農業、物資輸送、災害対策などをおこなえる時代がやってきました。これからもドローンステーションブログでは、産業用ドローンの活躍を紹介していきたいと思います。お楽しみに!※産業用ドローンのご相談は「ポラリスエクスポート」まで!
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