昨今、ドローンを使った測量は全国に広がっており、さまざまな機体と装備を活用して従来よりも高効率かつ安全におこなえるようになっています。
ポラリスエクスポートでは、お客様からのご要望にお答えるする形で、これまで多くの測量ミッションをこなしてきました。

今回ご紹介する事例は、2023年2月に行なったダム建設に伴う周辺地域の河川の測量になります。山間部の河川を2種類のスキャナーを用いて測量することで、建設によって受ける影響を調査するための貴重なデータを生成します。

山間部の狭隘地域、かつ河川の上ということで、安全第一でおこなったドローンによる測量を、早速紹介していきたいと思います。
事前調査
まず、本番数週間前に事前の調査をおこないました。この際は小型の「DJI Mavic3 Enterprise」を活用し、測量するエリア周辺の状況確認や想定される測量コースの確認をおこないます。事前に調査をおこなうことで、飛行時に危険と思われる箇所のチェックや当日の飛行イメージ、機材の適切な選択などがおこなえるため、非常に重要な作業となります。

また、本番に向けて自動航行ルートも事前に作成しておき、当日はなるだけスムーズかつ効率的にデータ取得できるように準備しておきます。
当日のテストフライト
現場に到着したら、計測用ドローンを飛ばす前にまずは小型機を飛ばし、準備していた自動航行のコースの安全性を確認します。同時に、点群データ用のRGB写真も撮影しておきます。(※本調査で撮影するRGB写真に不具合があった時のためのバックアップデータ)

計測用ドローンでの測量・調査
テストフライトを終え、飛行ルートの安全性の確保ができたら早速、計測用ドローンを使った測量を始めます。今回は搭載するペイロードの違いから、2種類の機体を用いて測量をおこないます。※2023年2月当時に販売されていた最適な機器を選定しています。
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DJI Matrice600 Pro – Amese Oneself製グリーンレーザースキャナー「TDOT GREEN」を搭載し水面下にある川底の点群取得に使用 |
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DJI Matrice300 RTK+DJI D-RTK2 – DJI Zenmese P1とL1を搭載し、水域確認のため点群取得と高画質写真撮影に使用、D-RTK2はGPS位置精度向上を目的に使用 |
本番当日は気温は低いものの風が弱く、ドローンを飛ばすには良い条件でした。現地は両岸に谷が迫った山間部の狭隘地であるため、離着陸地点の確保に懸念がありましたが、事前調査であらかじめ決めてあったわずかにフラットな場所を離着陸地点としランディングパッドを設置します。
今回の測量は流域の数か所でおこないますが、中には山間だけに河川が途中で蛇行しており、離着陸地点から終着地点が見えない箇所もあります。そういった際は、スタッフはドローンと一緒に河川敷を歩きながら進み、常に目視できる状態で飛行させます。

最初におこなったのはAmese Oneself製グリーンレーザースキャナー「TDOT GREEN(以下、TDOT)」を搭載した、DJIの産業用ドローン「DJI Matrice600 Pro」です。この機体に搭載したTDOTは、通常の赤外線レーザースキャナーでは取得できない河川の河床のデータを取得できるグリーンレーザースキャナーで、深い河床までレーザーが到達することで河床の状況を測探することができる性能を持っています。広い視野角を持ち、安全かつ確実に対象物を捉えることができるこのレーザースキャナーを使って、河川の上をあらかじめ設定したルートで自動航行させ、水面下の点群データを取得していきます。

次にDJIが誇る高精度カメラ「DJI Zenmuse P1」とLiDARスキャナー「DJI Zenmuse L1」を搭載した「DJI Matrice300 RTK」を飛ばして高画質なオルソ画像用写真撮影もおこないます。この機体はRTKモジュールを搭載しているため、同じくDJIから発売されている「D-RTK2」を地上に設置し、GPS位置精度の向上を図っています。「P1」は高画質の画像を撮影できるDJI製品のカメラで、測量撮影のスタンダードとして信頼性の高いカメラです。
一方で「L1」はDJIの航空測量用のLiDARスキャナーでLivox製のLiDARモジュールと高精度IMUを搭載し、DJIが提供するアプリ「DJI Pilot2」と組み合わせることで、リアルタイムに3Dデータを取得できます。また、RGBカメラも搭載しているため、レーザースキャン中に点群データへリアルタイムにカラー情報を提供します。こちらもコースを設定の上、自動航行で上空からデータを取得しますが、オペレーターは常に機体の状態をチェックしながら、安全第一で何かあった場合にもすぐに対応できるように運用します。

この日は気温が低いためバッテリーのマネジメントには十分に注意が必要だったものの、風が弱く、フライトは予定通りに終了。両岸から崖が迫る狭い空域での飛行でしたが、事前の準備と当日の確かな運用方法で無事にミッションをクリアしました。
3Dモデル構築と報告書の作成

さて、今回はドローンを飛行させて点群データを取得するだけでなく、取得したデータから2Dや3Dモデルを構築してご納品するところまでがミッションとなります。当社では最新のソフトを活用し、信頼性の高いデータから高精度の3Dモデルを構築することが可能です。

今回は異なるペイロードのドローンで撮影をおこなったので、それぞれの3Dモデルを作ります。木々が生い茂っている山間部の河川ですので、場所によっては水面が見えなかったり、場所によっては地表面が暗く影になってしまったりすることもあります。「TDOT」や「P1」&「L1」で取得した点群データやオルソ画像データを比較して鮮明に写っている方をその後活用したり、水を透過する「TDOT」と透過しない「L1」の撮影データを見比べることではっきりと水域を確認できました。
これらTDOTにより取得した点群データは「有限会社アぺオ技研」様の協力のもと、川床の横断図や測量成果簿を作成し、お客様に納品させて頂きました。当社の産業用ドローンの業務請負は、この飛行計画から安全な飛行、そして信頼性の高いレポート提出までをワンストップで提供している点が特徴です。測量に限らず、空撮、インフラ点検、防災関連、物資輸送など産業用ドローンの飛行でお困りの場合は、ぜひお問い合わせください。


